4点の銅版画と１点の木版画からなる、金田実生による第二回目の版画シリーズ『常温』。

これらの作品は京都市美術館で2013年2月〜3月に開催された、第1回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ 2013 への出品に向けて制作されました。
京都版画トリエンナーレ 2013は21名の推薦者により、21名の作家が選ばれる形で開催され、金田実生は黒川公二氏（戦後版画史研究）のご推薦により参加しました。

日常の中で感じられる温度や皮膚感覚、そしてそれらを感じた瞬間の心の動きが、非常に率直な姿勢で描き出されています。

シートサイズで1メートルを超える作品を2点含み、前回の『休息』とは趣を異にし、大ぶりな筆触感が印象的です。技法的には、銅版画はスピットバイトを中心として、ソープグランド、リフトグランドなど、版に描くことの積み重ねで出来ています。木版画も、水彩的な筆触を彫りだし、そして更に水性絵の具による「水」的な表現が魅力的です。

「常温」

寒暑の印象が、その日の断片を繋ぎ合わせてくれることがある。
凍える雪の夜だから出会ったこと。
何も起こらない日、なまぬるい風が動いていたこと。
作品にはそれぞれ温度が設定され、寒暖が織りなす作用や時間をあらわしている。
自然に手を加えない温度、常温。
気候や風土に寄り添って、人は「私」という温度を確認しているのかもしれない。
目覚める朝、今日はまた今日という日の温もりを備えている。

「明るい夜／−２度」「体温／３６度」「青の眺め／２４度」
「風通し／３３度」「消灯／１４度」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　金田実生

『明るい夜』

ソープグランドエッチング、スピットバイト、
リフトグランド　1版1色

イメージサイズ：725×840mm
シートサイズ：855×1020mm
エディション：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

価格　シート：\115,500　額装：\157,500


“Bright Night”

soap-ground etching, spit bite, lift ground
1 plate, 1 color

image size：725×840mm
sheet size：855×1020mm
edition：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

price　sheet : \115,500　framed : \157,500

『体温』
リフトグランド、スピットバイト、ソフトグランド・
エッチング　2版2色

イメージ / シートサイズ：535×605mm
エディション：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

価格　シート：\63,000　額装：\88,200


“Warmth”

lift ground, spit bite, soft-ground etching
2 plates, 2 colors

image/sheet size：535×605mm
edition：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

price　sheet : 63,000　framed : \88,200

『青の眺め』

水性木版、3色3版

イメージ / シートサイズ：635×740mm
エディション：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

価格　シート：\73,500　額装：\101,850


“Landscape in Blue”

water-based woodblock print
3 plates, 3 colors

image/sheet size: 635×740mm
edition：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

price　sheet : \73,500　framed : \101,850

『消灯』

リフトグランド、スピットバイト、1版1色

イメージサイズ　：725×940mm
シートサイズ　：855×1140mm
エディション：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

価格　シート：\126,000　額装：\171,150


“The Day's End”

lift ground, spit bite
1 plate, 1 color


image size：725×940mm
sheet size : 855X1140mm
edition：12　A.P.:2, P.P.:1, B.A.T.:1, H.C.:1

price　sheet : \126,000　framed : \171,150